相反するものから~鉄工所と子育てスポット~
こんばんは、Neroです。
三連休の月曜日。休日は街の空気がどことなく緩やか気がします。
単純に朝の交通量だったりは大いに違いがあるのでしょうが、目に見えない空気感が、平日のそれとは全然違います。
育休中の私ですが、それでも平日と休日の違いは明らかに感じます。
そんな穏やかな昼下がり、市内にある知る人ぞ知る子育て穴場スポットへ出かけてまいりました。
そこは住宅街の外れにある牧場で、小さいながらも動物や畑があったり、そんなに長時間は楽しめないけど、子どもとちょっと出かけるにはちょうどいい!という噂を兼ねてから聞いておりました。
場所をよくよく聞くと、私の通勤ルート上にあるようで。「そんな場所あったかいな」と半信半疑に思いながらも現地に赴くと、確かにありました。
前回の記事にも綴りましたが、子どもが生まれてからというものの、「今まで見えていなかったものが、見えるようになった」という経験が多く生まれています。
正確に言えば「見えているけど認識していない」という方が正しいでしょうか。
休みに入る前、毎朝毎晩の通勤でその牧場の前を通過していたにも関わらず、看板やのぼりも立っているのにも関わらず、全く気付かずに車を走らせていた日々。
いい悪いではなく、人間の興味であったり価値観であったりは、諸行無常。
さらに、子どもが生まれるなど、人生において大きな変化点を経ると、それらは大きく変わるんだなと痛感。私自身についても、つい4か月前とは大きく変化していると感じます。いい悪いではなく、です。
さて、その牧場はのんびりとヤギが昼寝をしていたり、ちょっとしたところにアヒルがいたりと、非常にこじんまりとしていながらも、なかなかいい時間が流れていました。
時間帯にもよるのかもしれないのですが、牧場のスタッフの方は特段常駐されておらず。
動物の柵の前には「ご自由にえさをあげてください。ただし、この箱のえさが無くなったら終わりです。えさの持ち込みはしないでください」や、
畑にはなんと「ご自由に収穫体験してください。いま収穫できる野菜は●●です。100円だけポストに入れてください。」と、
完全来場者のモラルに委ねられているスタイルでした。
しっかりと手入れをされている動物や畑を、ここまでの形で開放するとは。これも牧場関係者の優しさでしょうし、それが少なくても現段階で維持できているということは、来場者の優しさでしょうね。(これも前回の記事のテーマでした。)
私たちの滞在時間は1時間ほどでしたが、その間にもたくさんの子ども連れのファミリーが訪れていました。走り回れるようになれば、もっと楽しいだろうな~。
看板を眺めていると、どうもその牧場、地元でいくつか事務所や工場を所有している、鉄工所が運営しているようでした。
確かに牧場や畑のすぐわきに、鉄工所の作業スペースが。
ちょっと分かり辛いですが、手前が畑。小道を挟んで奥が鉄工所の作業場。
子育てファミリーが出かけるスポットとして、鉄工所は相反するジャンルの施設。
詳しい経緯はわかりませんが、その鉄工所がこうして子どもが喜びそうなスポットを作る。鉄工所と子どもスポットという相反するものの共存が、逆に新しい価値を生んでいるように感じました。
祝日だというのに作業場は稼働中で、何人かの作業員の方がクレーンを動かしていました。
その辺りの土地はその鉄工所のものなのか、子どもたちが駆け回る横にプレハブ小屋があり、そこが作業員の方の休憩所になっているようでした。
午後1時近く。丁度お昼休憩の後だったのでしょうか。少々強面の作業員の方がプレハブ小屋から出てこられ、小道を歩く私達とすれ違う時、にこやかに「こんにちは!」とご挨拶頂きました。
いい、とてもいい。
鉄工所と子育てスポットという相反するものが共存する空間。そして利用者のモラルに委ねられている空間。
単純に「子育てスポットの牧場と畑」以上の価値を感じました。