Nero’s備忘録~育休中パパはじめての子育て~

パパ育休真っ最中。パパ育休の布教活動、子育て日記他、備忘録。

必要な御節介~ただの御節介でもいいという勇気~

お‐せっかい【御節介

[名・形動]出しゃばって、いらぬ世話をやくこと。また、そういう人や、そのさま。「―をやく」「―な人」*1

 

 

こんばんは、Neroです。

 

今日は私の通院のため、いつもの病院へ出かけておりました。

 

昨今、いろいろなものが値上げラッシュです。

4月1日から食料品だけでなく、一部紙製品が値上げということで、丁度在庫が切れかかっていたティッシュペーパーとトイレットペーパーを調達しに、病院近くのドラッグストアへ寄り道。

得てして、食品、日用品については、メーカー発表の値上げが小売店の店頭に反映されるには、若干のタイムラグがあるものです…。メーカーの値上げに対して如何に交渉するか、小売業の手腕の一つでもあります。店頭売価は小売業の生命線の一つですからね…。

 

 

さて、お目当ての物を買い込み、車へ戻ろうと駐車場を歩いていたところ、私の車の横に立つ、70歳代くらいの女性の姿が。

特段気に留めることなく車へ近づくと、その女性から「この車、そちらの!?」と強めの口調で声を掛けられました。

女性が指さした先は、私の車ではなく隣に止まっていたミニバン車。

声を掛けられることなんて予想だにしていなかった私は、その瞬間自分の車のドアに手をかけており、私が返答するよりも先に、ドアのスイッチが作動。車が「ピッピ!」と開錠アラートを鳴らしました。

「あ…そう…」と、開錠アラートを返事として受け取った女性は、隣のミニバン車の後部座席を覗き込んでいます。

 

女性につられる様に私も覗き込むと、スモークガラスのせいでパッと見ただけではわからなかったですが、そこにはしっかりとチャイルドシートに乗せられた赤ちゃんの姿が。

体の大きさから、我が家の息子君と同じくらいの月齢でしょうか。ご機嫌なご様子で、手足をバタバタさせております。

 

「店員呼んだほうがいいかしら…」

と、女性。確かに車内に他に人影は無く、その周りにも特段親御さんらしき人影はありません。

 

 

女性と私が車内を共に覗いていた時間は、ものの数秒だったと思います。

 

突如、「何ですか?」の声が。

見ると、母親らしき方が怪訝そうな顔でこちらを見ています。

すると女性がその母親らしき方に、「ダメじゃない!子ども置いたまま買い物してたら!」と割と強い口調で食って掛かります。

すると母親さんは、こちらも少々強い口調で「カートを返してきただけですけど!」と反論。

 

なるほど、確かにこのドラッグストアには駐車場内にショッピングカートを返却する場所がなく、駐車場の車までカートを荷物を運んだら、建物の入り口まで返しに行かなければなりません。

私のように値上げきっかけで来られた方が多いのでしょうか。そんなに広くない駐車場は多くが埋まっており、我々がいたのは建物からは一番遠い場所でした。

建物まで往復2分掛かるか掛からないか、といったところでしょうか。

 

「あ…そう…」と、私の車のアラートへの返事と全く同じトーンで女性は返事を返し、その場を去っていきました。

母親さんは私には目もくれず、運転席に乗り込みます。

私が女性に声を掛けられてから、母親さんが乗り込むまで、ものの20~30秒程度だったでしょうか。この間、私は一言も発せず…。

 

 

フラッシュバックしたのは、子どもを車内に放置してしまい、悲しい結末になってしまったニュース。

今日の気温から考えても、一気に車内が真夏のそれと同じようになるとは思いませんが、私も赤ちゃんの姿と、親御さんが見えないことを認識した瞬間、「えっ!大丈夫かな!」という思考になりました。

 

 

ドラッグストアから家までの帰り道、ボケーっと運転しながら考えたのは、

「あの女性について」 でした。

 

 

「御節介」とは、通常ネガティブなものとして扱われます。

プライベートを重視しよう、個人個人を大切にしよう、という昨今の風潮では、過度なそれらは通常煙たがれます。

ただ、今回遭遇した女性の行動は、果たしてそれと同義なのでしょうか?

 

母親さんからすれば、ものの数秒程度、車から離れただけ。チャイルドシートはしっかりつけている、数秒程度なら気温も問題ない、車に鍵が掛けられていたかは定かではありませんが、少なくとも母親さんが女性に発した返答には「不愉快」な感情が入っていました。

恐らく、母親さんからすれば御節介だったのでしょう。確かに4~5か月の赤ちゃんを再びチャイルド―シートから外し、抱っこなりをして、カートを戻しに行く、というのは非常に重労働です。

 

母親さんのとった行動の是非はおいておきますが、

少なくとも女性の行動については、「必要な御節介」なのではないでしょうか。

その御節介が「必要」だったのか、「不必要」だったのかは、結果論でしかありません。断片的な、瞬間的な、「赤ちゃんが1人で車にいる」という事象に対してみて見ぬふりをしないというのは、「必要な御節介」である気がします。

 

 

冒頭goo辞典によると、「御節介」とは「いらぬ世話をやくこと」とあります。「必要な御節介」という表現は矛盾した表現となるわけですが。「いらぬ世話」ではなく「必要な世話」を何という日本語で表現すればいいのかわかりません。

もし、本当に母親さんが子どもを置いて買い物をしていたら? もし、炎天下な日差しだったら?

それは「いらぬ世話」では無くなるはずです。

 

 

私とて、「御節介」はするのもされるのも、御免です。

ですが、「必要な御節介」をできるような人間でありたい、と思った今日の日でした。

「御節介」は通常煙たがれます。煙たがられるのは誰でも嫌なはずです。

「必要な御節介」をした結果、それがただの「御節介」であったとしても…。

*1:goo辞書より