Nero’s備忘録~育休中パパはじめての子育て~

パパ育休真っ最中。パパ育休の布教活動、子育て日記他、備忘録。

育児休業~本当に大事にしたいものは何か、はっきりさせる~

育児・介護休業法の改正により、「育児休業」のルールが2022年4月に大きく変わりました。

総じて、労働者にとってはよりメリットがある内容に改正されています。

とりわけ、「パパ」がより取り易い環境を整備するものになっており、今後のパパの育児休業取得率アップが期待されます。

 

 

先月の改定直後には、様々なメディアで、今回の育児・介護休業法の改正について特集されておりました。

そういえば、はてなブログの公式記事でも特集されていましたね。

 

 

昨日、bizSPA!フレッシュにも記事が掲載されていましたので、ご紹介させて頂きながら、少し内容に触れてみたいと思います。

お時間ありましたら、下記の元記事もご参照頂ければ幸甚です。

ちなみに、当ブログの目的の一つが、パパの育児休業の布教活動です!

 

bizspa.jp

 

男性の育児休業は「義務化」ではない

冒頭、「今年4月から男性の育児休業(育休)が義務化され、男性が育休を取りやすくなりました。」と記載があります。

読み進めると、

「「育児休業の義務化」とは育休の取得を強制するのではなく、企業が男性従業員に対して育休制度の周知を義務付けるという意味です。」

と、正しい解釈の記載がありますが、冒頭だけ見ると「えっ!?全員文句なしに取れるの!?」ってなってしまいますね。

 

皆さんの会社では、4月以降、変化はありましたでしょうか。

奥様が妊娠したことを会社に報告すると、会社側は面談等で、「個別の周知・意向確認」が義務化されました。

「育休制度あるよ~」だけでなく、「取る?取らない?」の意向確認までが義務です。

 

「育休制度あるよ~。こんな制度だけど…まさか取ったりしないよね?」

…みたいな、取らないことを暗に強要するような、意向確認はNG。

 

育児休業取得率100%の罠

記事では、何人かのパパさんたちのエピソードが綴られています。

その中の一人が、「株式会社ファンケル」で働いているパパさん。ファンケルは、化粧品等で有名な、言わずと知れた大企業です。

 

ファンケルでは、育児休業取得率が100%だそうです。

これはこれで、とても素晴らしい事ですが、育児休業は1日から取れます。1日でも取得すれば、その人も「取得した」ことになるわけです。

制度として、1日だけ育児休業を取得したところで、それは本来の姿ではないはず。

 

ファンケルがどうかはこの記事ではわかりませんが、「育児休業取得率100%」と謳う実績には要注意です…。

 

フォロー人員配置の実態は…

あるパパさんが育児休業取得することになれば、周りの職場のメンバーがそのパパさんが抜けた穴をフォローすることになります。

この「フォロー体制」。皆さんの会社はどうでしょうか?

 

記事では育休中の業務担当を図にして…うんぬんかんぬん、育休を取るパパが、メンバーに負荷を極力かけないように、事前準備について綴られています。

5人のチームから1人抜ければ、残り4人の業務量は増えます。

どこか別の部署等から1人充当されれば、チームへの負荷は最小限となりますが、今度はパパさんが戻ってきたとき、どうする、という話になります。

 

ちなみに私の場合は、人員の補充はありませんでした。

4人の方が私の業務を分担して頂いています。正直頭が上がりません。

(私の場合、育児休業交渉中に体調不良で倒れ、そのまま職場から離れたので、会社も補充を検討する余裕がなかったのかもですが…

 私の育児休業取得までの経緯はこちらの記事で。)

 

育休の連鎖反応はいいことだけど

記事では、

「誰かが育休を取得して、その良さを伝える。そうすることで、育休を取る男性が増えていくように感じます」とあります。

確かに、誰かが取れば、続く人はより取りやすいですよね。

 

でも、例えば、

「同時期に2人以上がパパになり、同時期に育児休業取得を希望している」

などが起こったら、どうなってしまうのでしょうか。

 

これを解決するためにも、育休を取得する側として、下記の心構えは必要じゃないかと思います。

 

復帰後の業務変更は「ある程度」しゃーない

復帰後はそれまで従事していた部署、役職、業務内容に戻るのが、原則ルールです。

ですが、Nero個人的には、全く同じところに戻れないリスクは、育休取得側が受け入れるべきだと思います。

 

記事では、「カネカショック」にも触れられています。

「カネカショック」のような、住居を変えざるを得ないような転勤は、さすがにいかがなものかと思いますが、

業務内容であったり、チーム内での立ち位置であったり、フォローしてくれた人たちが育休で不在だった期間、作り上げたペースを、必要以上に乱すのは如何なものかと。

 

例えば、育休前は「チームリーダー」のポジションにあったパパさんがいたとします。

育休で数か月職場を離れることになり、その不在期間は1個下の後輩がチームリーダーを代行することになりました。

不在期間中、後輩君はみごとにチームをまとめ、業務に支障は生じませんでした。

 

数か月後、パパさんは職場復帰。後輩君ありがとう、チームリーダーは今日からまたパパさんがやるよ。これって本当にいいのでしょうか?

「チームリーダー」はそのまま後輩君に努めてもらい、パパさんは「チームメンバー」として再び会社やチームに貢献すれば、いいのではないでしょうか。

 

本当に大事にしたいものは何か、はっきりさせる

上記の例で「チームリーダー」に固執するのであれば、そもそも育児休業を取る選択は考え直すべきなのかもしれません。

後輩君からすれば、決して面白い話ではないはず。

育児休業が普及していくことは大切ですし、そんな社会になってほしいと思いますが、その間フォローしてくれる方の性善説に頼り切るのも、いかがなものかと思います。

 

 

以前の記事にも綴りました(こちらこちら)が、育児休業トレードオフだと思います。

 

育児休業中、育児休業給付金がありますが、当然働いていた時の月収には及びません。

ボーナスも育休中は算出日数に含まれないことが多いです(会社によると思いますが…)。

建前はともかく、昇格昇給には影響すると思います。

上記例でいうなら、パパさんが育休から復帰した時点の「その瞬間」では、会社の評価はより後輩君を高評価とすべきです。

 

役職や対価(給与や賞与)はステイにして欲しい、でも育休は取りたい、ではいささか虫がよすぎると思います。

 

「会社での立ち位置」「対価」「子育て」 何を大切にすべきで、何を優先すべきなのか?

 

そもそも、子育ては育児休業の期間だけではありません。今後何年も続いていきます。

育児休業を終えて復帰した後、どういう働き方をしたいのか?

 

仕事は70歳まで、子育ては刹那

人生100年時代と言われ、現在35歳のNeroは、今まで生きてきた年数くらいは、今後も何らかの形で働く必要がありそうです。

ずっと今の会社で働くかはわかりません。

目まぐるしく変化している世の中。たった10年前と比べても多くのことが変化しています。

「私」と「今の会社」の関係だけ、不変性ということはあり得ません。

 

一方子育ては刹那。

0歳の息子君は、この瞬間しかいません。

息子君が成人するまで18年(成人年齢が変わったのも、大きな変化ですね…)。残りの働く期間は35年。

年数の大小ではないのかもしれませんが、どっちを大事にしたいか、私はもう決めています。