Nero’s備忘録~育休中パパはじめての子育て~

パパ育休真っ最中。パパ育休の布教活動、子育て日記他、備忘録。

育児休業を取得するまでの話~Neroの場合~

私は現在、育児休業取得中です。

最近は雑記ブログになりつつありますが、本ブログは、パパ育休について語る、というのが当初のコンセプトでございました。

 

そんなわけで、今回はNeroが育児休業を取得するまでについて、綴ってみたいと思います。

 

 

ただし、私の場合は少々特殊な事情が重なっています。

それは、

会社と育児休業についての交渉中に、体調不良を引き起こして職場で倒れ、医者によるドクターストップを受け、有休を消化する形で、病気療養に入ったこと。

会社と交渉中ということもあったため、病気療養中に再度会社と相談の上、有休消化後、そのまま育児休業に突入したこと。

ここが恐らく特殊な事情かと言えます。

「こんなヤツもおんねんな~」という程度に御高覧頂ければ…。

 

 

 

妊娠発覚と妻の仕事

結婚は2014年、第1子の息子君誕生は2021年でした。結婚から7年でしたので平均的には遅いタイミングだったかと思います。

妻は医者から「子どもができ辛いかも」と言われていたようですが、私も妻も、仕事に邁進し、休日は2人で遊びに行ったりする日常に価値を感じていました。

周りからの「そろそろ子どもは?」の問いをスルーする技術は日々上達の一途を辿っていました。

 

妊娠発覚は、妻が正社員での仕事を辞めてフリーランスで働くことになったり、私の父が急死し、葬儀やら手続きやら、バタバタしていたのが、ちょっと落ち着いたタイミングのことでした。

 

妻が正社員で働いていた環境が、それなりのブラック体質。

体調を崩しがちだったため、思い切ってフリーランスへ切り替えて数か月後のことでしたので、後から考えると、妻が環境を変えたことも、大きな一因だと思います。

妊娠発覚当時は、フルリモートで都内のあるIT関連の企業へ「契約社員」という雇用形態で働いていました。

ちなみにこのIT関連企業、妻が妊娠を伝えたところ、露骨に「契約延長の中止」を伝えてきました。ここらのお話はまた別の機会に…。

 

結果的に、妻はこのIT関連企業を契約満了と共に辞めました。

 

 

妻と育休について初めて話し、会社の就業規定を確認

妊娠発覚直後、私の育休について妻と話をします。

とはいえ、当時は、私も妻も知識ゼロ人間。

「男性の育休がある」という話は聞いたことはあるものの、どういう人が取れて、どうやったら取れるのか、知識皆無。

私自身は正直なところ、この時点では育休取得については後ろ向きでした。

妻も、何が何でも絶対取ってほしい、という希望でもなく。お互いに「取れたらいいね~」くらいのテンションでした。

 

まずは会社の就業規定を確認することに。

新卒で入社し、10年以上勤めている会社ですが、就業規定をマジマジと読み込んだのは初めてでした。

 

ちなみに私が勤めている会社は、所謂BtoBの会社。

表舞台にでてくることはほぼありませんが、一応全国規模に展開している、業界ではそれなりの規模感・立ち位置の会社です。

販売会社(かっこよく言えば商社)ですので、とにかく営業至上主義の会社です。私も営業職。

 

私が入社したころは、業界のブラックといえばわが社というくらい、ブラック労働、ブラック環境で有名な会社でした。

ここ数年のコンプライアンスだ何だの流れを受け、「とりあえず周りから刺されない様にしよう」という魂胆なのか、就業規定だけ見ると、かなりホワイトな会社です。

 

実際のところはブラックよね、と、社員からは半ば諦めに近いムードは漂っておりますが、それでも近年は少々ホワイト化に向かっているような気がします。

ブラックから少々ホワイト足し込んだ、カフェオレくらいの労働環境です。

 

 

さて、そんなカフェオレ企業の就業規定の一文に、しっかりと「育児休業」について定められている箇所がありました。

ツラツラと取得要件等が謳われている規定を順番に読み込んでいると、育児休業中は無給とする」の一文がありました。

 

この一文を発見するや否や、「あー、育児休業中は無給か~。そりゃ辛いなぁ。こりゃ無理だな」と思考停止。

その後、詳しく調べることもしませんでした。

妻とも、「育児休業中は給料ないんだって~、そうなると厳しいよね~」と伝え、「そっか~…それは厳しいね~」との会話で終わってしまった記憶があります。

 

会社からは無給。でもその間は育児休業給付金がある。

…ということなのですが、育児休業給付金については、就業規定に記載が無いため、それに気が付かないまま、時が過ぎます。

 

 

妊娠8か月まで。仕事に追いつめられていく私

前途の通り、この時点で妻は仕事を完全に辞めていたため、出産とその後の子育てに対して、万全の態勢で臨める状態にはなっていました。

 

一方私は、仕事に追いつめられる日々が続いていきます。

前の年に管理職になっていた私は、「プレイヤー」ではなく「プレイングマネージャー」としての成果が求められます。

 

さらに、この期間に大きな人事・組織変更が2度あり、管轄する案件と部下が増え、直属の上司が変わって仕事のやり方も大きく変わりました。

ほぼ毎日22時近くまで残業し(管理職なので残業代出ず…)、休みも家にパソコンを持ち帰り、部屋で業務をしている始末(管理職なので…以下略)。

 

「果たしてこのままでいいのだろうか?」

 

毎晩、疲れ果てた体を引きずりながら、会社帰りの車の中で自問自答します。

 

もうすぐ、子どもが産まれる。でも平日も休日も仕事ばかりしている。

このままだと育児に携わる時間なんてつくれない。

 

 

育児休業を取る決意を固める

妻が妊娠8か月目を超えた頃、私は育児休業について、再度調べます。

調べるとすぐに、育児休業給付金のことや、国のルールで定められていること等、様々な情報にたどり着きます。

「もっと早くから調べておけばよかった…!」と後悔と同時に、育児休業を取る決意を固めます。

 

もちろん、「育児に携わりたい」、「家事に携わりたい」、という思いもありましたが、

「日に日に業務量が増し、追いつめられている仕事から、いったん解放されたい」という思いもあったことは事実でした。

 

私の性格上、「育児したい」と思っていながら「仕事をしている自分」に大きくストレスを感じることは目に見えています。

かといって、「仕事を抱えながら、うまいこと育児をやっていく」という器用なことはできません。

これらの自分の思いに応えるには、育児休業を取り、「合法的に仕事から離れる」ことが一番と考えたわけです。

 

 

会社と交渉をはじめる

こうして育児休業取得を決意したわけですが、会社で男性の育児休業の前例なんぞ、聞いたことありません。

最初に相談したのは、個人的に仲の良かった、総務畑の先輩でした。

この先輩は私の育児休業取得に賛成してくれ、水面下で情報を取ってくれました。

 

全国1000人程正社員がいる会社ですが、男性の育児休業は過去1例のみ。

それも本社の間接部門の若い子だったらしく、私のように現場の中堅営業の管理職については、当然前例はありませんでした。

大方そうだろうな、とは思っていましたが、それでも事実を突きつけられると、怯みます。

上司や同僚等に交渉を進めていく上で、何といわれるだろうか。

 

その先輩は、私の背中を押してくれ、このような言葉も掛けてくれました。

「育休中は会社はNero君に対する給料支払いは止まるし、折半している社会保険料の負担も免除になる。

 会社にとっても経費減になるんだよ。いままでNero君は高い社会保険料払い続けてきたんだから、正々堂々取ったらいいじゃん」

 

勇気をもらいながら、いろいろな上司・同僚に育児休業について、話を進めていきます。

期間について、もとより私が交渉を始めたのが遅かったこともあったので、会社での準備が整い次第、取らせて頂く、という形で話を進めていました。

休業終了は、息子君が6か月になるまで、と考えていました。

 

賛成してくださった方、難色を示された方、実にいろいろな方がいました。

ここら辺の話は別の機会に詳しく綴りたいです。

結果的には、私の希望が叶うよう、調整を進めてくださる形になりつつありました。本当にありがたい限りです。

 

 

少し早い息子君の誕生と私の体調悪化

息子君は予定日よりも3週ほど早く誕生しました。

ギリギリ「早産」でもなく、生まれてきた身長・体重等も問題なく、元気いっぱいです。

 

ところが、これと同じころ、私の体調が悪化してきます。

めまいがする。夜眠れない。食欲がない。毎晩吐く(でもご飯をほとんど食べていないので中身はでてこない)。

全く眠れない夜が何日か続いたある日、私は職場で倒れてしまいます。

近くにいた上司が救急車を呼んでくれ、救急搬送されました。

くも膜下出血等、様々な要因を疑われ、搬送先で全身を検査することになりましたが、どこにも異常は無し。

 

近頃の自分の状況を鑑みると、ここで異常を発見できないことは何となく想像ついていました。

そして心療内科に行くと、「うつ状態」と言われ、その日にのうちに、「休職が必要」という診断を受けてしまいます。

 

 

病気療養と育児休業への移行

このような診断を受けた後、再度会社と今後どうする、という話し合いが持たれました。

結果的に、私がここに至るまで育児休業について話をしていたこともあり、有休を使って病気療養をした後、問題が無ければ、その後育児休業に切り替える、ということになりました。

 

本来なら、休業に入るまでに引継ぎ等を済ませ、しっかりと「留守の間お願いします」と挨拶したうえで休業に入るべきもの。

私の場合は職場で倒れた日を最後に、床に伏せてしまったため、それらをせずに病気療養に入りました。

何度か電話でのやり取りはしたものの、結果的に仕事をぶん投げてしまった為、残されたメンバー達には申し訳ない気持ちで一杯です…。

 

このブログは息子君が誕生する直前にアカウントを取りましたが、その後3月の上旬になるまで記事を書くことはありませんでした。

そこまでの間、ブログを書けるような状況になく、ようやくその頃、体調が回復してきたため、ブログを始めました。

「育児やってるぜ~」と日々のブログに綴っていますが、それもようやくこの頃になってからの事。

それまでは育児どころか、床に伏せる日々でした。

 

生後間もない息子君の面倒を見ながら、メンタルをやってしまった夫をフォローしてくれた妻には、感謝してもしきれません。

 

その後、医者に通いながら、育児にも携わっています。

病状も落ち着き、復職可能という医者の判断も出ましたが、当初希望だった、息子君が6か月になるまで、育児休業を取らせて頂くことになっています。

 

 

最後に

育児休業取得は、三者三様かと思います。

誰かの事例が、そのまま別の誰かに当てはまるものではありません。

私の話は、自身の体調不良の話が入り混じっていますので、なおの事、参考にすらならないかと思います。

 

この4月から改正された育児・介護休業法が施行されています。法律上の環境整備は整ってきています。

子どもが産まれることが分かった時点で、パートナー、家族、職場の事情によって、取得必要有無も含めて、話をすることが大事かなと思います。

何よりも、ご自身とパートナーの価値観を優先して、それに向かって希望される状況になることが、一番かなと思います。

 

 

記事の最長記録達成…!お付き合いありがとうございました。